夜になると虫の音が聴こえ、秋の気配を感じられる季節となりましたね。
遠江の国の見習い花使い「はるさめ」です。
先日、松野先生より9月のお稽古作品の素敵な写真が届きました。
今回は、「松野いけばな教室のお稽古風景と初秋を彩る美しい自由花作品」をお届けします。
1.初秋のいけばな作品 自由花①
「自由花①」です。
花材は、
雲龍柳、ピンクッション、ワックスフラワー、ビカクシダ
花材の色が鮮やかで大変美しい作品ですね。
木の枝ものである「雲龍柳」は、いけばなやフラワーアレンジでよく使われます。
白や銀色など色が塗られたものも売っていて、お店のディスプレイでも好んで使われる花材です。
華やかな「ピンクッション」をいけている生徒さんのお顔は、心なしかいつもより嬉しそう!
素敵なお花に触れていると、気分がウキウキしますよね~。
これも「いけばな」ならでは、楽しさですね!
ユニークな形をした緑の葉の「ビカクシダ」。
どんなふうに生かすか、迷うところです、、、
花材の姿形を生かした素敵な作品が出来上がりましたね!
2.初秋のいけばな作品 自由花②
「自由花②」です。
花材は、
ニュウサイラン、リンドウ、ケイトウ、カスピア
くるくると「ニュウサイラン」を形作り、遊びが感じられます。
軽やかさがでていて、面白味のある素敵な作品です。
今回の花材は、葉物である「ニュウサイラン」をどのように生かすかで、作品の雰囲気が変わってきます。
同じ花材でも、こちらの作品は「ニュウサイラン」の葉先を切っていけています。
全体的に少し重みを感じられ、前の作品よりどっしりとした印象を受けます。
ちりばめられた黄色の「カスピア」が可愛らしさを感じさせる素敵な作品です。
今回の作品をつくっている時のお稽古風景です。
立派な「ニュウサイラン」に生徒さん達が迷って、相談しているところでしょうか。
松野いけばな教室の生徒さんは皆、気さくな方たちばかり。
日常会話などを交えながら、楽しくお花をいけています。
こちらも同じ花材を使った作品です。
「ニュウサイラン」の姿をそのまま生かしていけています。
花器を縦に使って、奥行きを出していますね。
3.初秋のいけばな作品 自由花③
「自由花③」です。
花材は、
ニュウサイラン、ストレリチア、グリーントリュフ、ヒペリカム
鮮やかなオレンジの花、ストレリチアは別名「極楽鳥花」と言います。
鳥の頭の形に似ていて、面白い花ですね。
クルッと巻いたニュウサイランが、ストレリチアのシャープさをちょっと抑えて、優しい雰囲気の作品です。
こらちは、先の作品とは対照的。
ニュウサイランもシャープな形にカットされています。
バランスが難しいところですが、うまくまとめられていますね。
下の方に見えている赤色のヒペリカムも可愛らしいです。
同じ花器を横使いなのは一緒ですが、前の作品とは雰囲気が少し異なる作品です。
ニュウサイランを大きくふわっとさせているので、優しい雰囲気が感じられますね。
このように自由花は、同じ花器や花材を使っても、作り手の個性で様々な作品が出来上がります。
4.松野先生の作品 生花 菊の一種生け
松野先生の作品「生花 菊の一種生け」です。
大変美しい作品ですね。
9月9日は、重陽の節句。
いけばなでは、秋が深まる頃美しく咲き始める「菊」を使ってお花をいけます。
重陽の節句では、不老長寿や無病息災を願います。
「邪気を払う」と信じられている菊を用いて、平安時代から江戸時代の頃までは様々な行事が盛んに行われていたとか。
この季節によく開催されている菊の品評会や鑑賞会も、「菊合わせ」という重陽の節句にちなんだ行事なんだそうです。
ちなみに、菊を鑑賞しながら「菊酒(菊の香りを移したお酒)」を飲むと、長寿になるとか。
自分で生けた菊を愛でながら、菊酒を楽しむ-
いけばなが出来ると、こんな粋なことを楽しめちゃいますね!
それではまた。