遠江の国のゴールド花使い「あつみん」です。
日本橋三越本店で開催している池坊本部展「花と美」の出瓶お手伝いをしてきました。
今回は、その体験談をお伝えします。
1.思い出の東京花展
東京花展といえば、十何年か前に師匠の田名網先生と出瓶した記憶がよみがえります。
その頃は、まだ大きい花展に出瓶することに慣れておらず、右も左もわからない状態でした。
先生の後にくっついていたように思います。
先生は、掛けの生花正風体、横掛けで藤を生けられました。
私は、レリーフでした。
この時の東京花展の自由花コーナーは、世界中のエリアに分かれていて、私のコーナーはヨーロッパでした。
赤い板にオーガスターとシャクナゲを使い、スペインのフラメンコをイメージした作品を展示しました。
2.花展への準備
花展で使用するミニアンスリウムの鉢植えです。
本部展といえば、池坊のお花が満喫できる花展です。
経験も技術も豊富な門弟たちが、力作を出瓶します。
出瓶する方は、準備期間に時間をかけ、本番に望みます。
なかなか大変な作業だと思います。
大変な分とても勉強になり、貴重な経験になることは間違いありません。
今回出瓶する田名網社中の恭子さんも、3月からみっちりお稽古に励んでいました。
同じ花器・同じ材料で、何回も何回も何回も-。
お稽古で見かける度に、真剣な眼差しで取り組んでいたことを思い出します。
3.いよいよ本番 当日の生け込みの様子 前半
展示は二日間ですが、前日に生け込みをするので、実質三日間となります。
恭子さんは生け込み前日に、先生とお手伝いだけの私は生け込み当日に、東京へ向かいました。
恭子さんと合流後、まずは腹ごしらえ!
ホテル横の小さな洋食屋さんで、蟹クリームコロッケをいただきました。
大満足~!!
あっ、まだ仕事をしてなかった、、、(笑)
恭子さんの部屋で下生けです。
ビジネスホテルの狭い部屋で、なんとか生けるスペースを確保し、準備します。
地元の花展ではないときは、たいていホテルの部屋で下生けをします。
この場所を確保するのが、なかなか大変なのです。
下準備が無事に済み、会場へ生け込みに向かいます。
4.いよいよ本番 当日の生け込みの様子 後半
会場は、日本橋三越本店!
ホテルから徒歩五分。
天気にも恵まれ、荷物も少なめの為、ゆっくり歩いて向かいます。
初日の展示なので、生け込みの時間は15時からと早めです。
社員出入口から入るのですが、混雑していることもなく、スムーズに会場に入れました。
配布されている図面で展示する場所を確かめ、花席に到着します。
生花正風体の為、敷板を置きます。
展示台に置いてみると、グラグラ動いてしまいました。
木目のある台で、敷板はツルツルしているので安定が悪く、さあ困った!!!
結局、間に紙を敷き何とかセーフ!
花展では、よくあること。
想像もつかないことが起こるため、慣れていないと焦ってしまいます。
モダンな高い花器に、ミニアンスリウムが生けられていきます。
生け終わると、田名網先生にチェックをしてもらいます。
先生のオッケイが出たら、花器口いっぱいに水を入れ、周りを綺麗にお掃除して終了!
これで、半分終わったも同然。
あとは二日間の朝の手直しを無事終えれば、心配事はなくなります。
5.社中の仲間は心強い味方
伊藤恭子さん作「ミニアンスリウムの一種生け」です。
モダンな花器とミニアンスリウムが相まって、素敵ですね。
私は、初日の朝の手直しを手伝い、浜松に帰ります。
そのあとは、田名網社中のMちゃんと交代。
二日目の朝の手直しと撤花のお手伝いをしてくれます。
田名網社中では、社中から花展へ出瓶する方がいる時は、協力連携し合います。
このような仲間がいることは、とても心強く、嬉しく思います。