30代になったら「道」という字がつく習い事をした方がいい
と本で読んで、母の勧めでいけばなを始めた見習い花使い「はるさめ」です。
私は、花笑ブログ取材担当として、あちこちのいけばな教室へ取材に伺っています。
そこで出会う生徒さん達が、熱心にお稽古に臨まれている姿を見て、反省しました~。
初心、忘れるべからずー
今回は、宗匠のお言葉をご紹介しながら、「いけばなのお稽古に臨む姿勢について」考えてみます。
1.感動を持ち続ける大切さ
いけばな経験者の皆さんは、初めてレッスンをした日のことを覚えているでしょうか?
こんな感じでいいのかな~
なにもかも初めてで、「剣山でお花をいける=いけばな」ぐらいの知識だった私。
(知識量は今も大して変わりませんが~…汗)
初めてのいけばな体験では、渡された花材を他の生徒さんがやるように見よう見真似で、なんとなくいけていました。
花材のひとつが「カンガルーポー」だったのを覚えています。
「この花はカンガルーの前足に似ているから、カンガルーポーって言うのよ」
と教えて頂いたので。
面白い植物があるんだなぁ。
こんな外国のお花をいけばなにも使うんだなぁ。
自分が思っていた「いけばな」のイメージとはちょっと違ってるかも?!と思いました。
主要なお花を全部入れて(初心者にありがちなあるあるですね笑)、この辺でよいだろう~とチラッと先生の方を見ました。
そうね~
ここはこうしたらいいんじゃない?
と、先生は枝葉の向きをちょこっと変えて手直ししていきます。
そして、重なっている葉や花をパパッと抜いて、こんな感じでどう?と私のほうに作品を向けてくださいました。
おおっ!
なんかそれらしい作品になってる!
取材で出会った生徒さん達も、先生の手直しが入ると「作品が素敵に変わる」と誰もが実感していました。
2.いける過程の大切さ
いけばな教室で初めて目にして、「おっ!」と思ったことがもうひとつあります。
それは「挨拶」です。
生徒さん達は、正座して姿勢を正し、先生に対して両手をついて深々と一礼、
「よろしくお願いいたします」
もちろん終わりも同じく両手をついて深々一礼、
「ありがとうござました」
です。
他の類の稽古事でも挨拶はしますが、ここまでの所作はしたことがありませんでした。
これが「道」がつく稽古か~!
と、感心した記憶があります。
花をいけるー
それはお稽古場に入った時から始まっており、先生に対する挨拶、教室で出会う生徒さんへの細やかな心配りをすることで、自然と美しい所作が身についていくーとのこと。
なるほど~
だから教室で出会う人には素敵な人が多いのか~!
こんなことを書くと、
「こういうところが堅苦しくて、ちょと苦手なんだよね~」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、礼儀や作法は決まりことや面倒なことが多いもの。
ですが、なんとなくでも美しい所作が身についていると、ちょっとしたときに大人の雰囲気がすると思いませんか?
こんなことを書いているからって、私の所作が洗練されているワケではありませんが、、、
3.学ぼうとする積極的な意思
いけばなでは、先生が手直ししてくださっている間に、草木の取り扱い方、手の使い方などを見て聴いて覚えていきます。
これがなかなか難しい、、、
経験のある方なら頷いてもらえると思います。
先生と同じようにやってみても思ったようになりません。
ポキッと枝が折れてしまった~なんてことは、よくあることなんです。
次こそは~と思っていても、花材は自然物なのでまったく同じものはありません。
枝葉の雰囲気も茎の硬さや柔らかさも、変わってしまいます。
よし、コツを掴んだぞ~と思っても、次の時にはすっかり忘れてしまうことだってあります。
それでもコツコツ経験を積み重ね、少しずつ覚えていきます。
他の方の作品を拝見させていただくことは、こんな形にいけることもできるのか~と自分では思いつかなかったアイデアを知るよい機会となります。
せっかくですから、積極的に他の生徒さんに声をかけて、作品を拝見するのがいいですよね。
私は「拝見させてください」と人に伝えるのは得意です。
「拝見させてください」と言われるのは、最初の頃はちょっと苦手でした。
「私の作品なんて~」
とどこか恥ずかしい気持ちがあったからなのですが、いつからか「先生の手直し済だから大丈夫~」と大胆になってしまいました(笑)
4.花がつなぐご縁を大切に
上記の写真は、お稽古を始めた頃の私のお稽古日記です。
今回のブログを書くために、押し入れの奥から引っ張り出しました。
マジメだなぁ~(笑)
いけばなは、難しいところもあるけれど、綺麗なお花を素敵にいけられると嬉しいですよね。
ただ私はあんまり頑張りすぎると「心が赴くままに、好きなお花をいける」のを楽しめなくなってしまいます。
楽しめるぐらいがちょうどいい-
大らかな我が師匠は、小さな向上心しか持っていない私でも、いつも温かい目で見守ってくださいます。
その期待に応えて(?)私は私なりに、お花がつないでくれたご縁を大切に、小さな向上心をコツコツと育てていこうと思っています。
今回は、季刊「花のあらかると」No.43、華道家元四十五世 池坊専永「人と人、心と心」のコラムから、宗匠のお言葉を私のいけばな体験記と共にご紹介しました。