遠江の国の見習い花使い「はるさめ」です。
田名網先生より、生徒さん達のお稽古作品の写真がたくさん届きました。
今回は、はるさめが厳選した「生命の力強さと繊細さを感じる夏のいけばな四作品」をお届けします。
1.夏のお稽古作品 生花正風体 魚道生け
「生花正風体 魚道生け」です。
花材は、
雌株河骨、雄株杜若
通常、挿し口を1株にするところを2株にすることで、株と株の間を魚が通り抜ける道をつくった伝統ある生け方です。
大変美しい作品ですね。
魚が楽しそうに泳いでいる姿を自然と想像できます。
昔の方も「涼」を求めていけられたのでしょうか。
大切に長く受け継がれる伝統的ないけ方は、親しまれる理由があります。
夏の暑さを和らげてくれる素敵な作品です。
2.夏のお稽古作品 生花新風体
「生花新風体」です。
花材は、
カークリコ、蒲、ベルテッセン
草木のしなやかな様をいけた、大変美しい作品です。
緑の葉の「カークリコ」は自由花でもよく使われます。
紫のお花、ベルテッセンは、華奢で可愛らしい!
作品全体に、品の良さを感じさせますね。
こんなお花をサラッといけられたら、格好いいですねぇ~!
3.夏のお稽古作品 立花正風体 水物一色
「立花正風体 水物一色」です。
花材は、
蓮の開き葉、蓮の巻き葉、杜若、河骨
生命の力強さを感じる、大変迫力のある作品です。
池坊の蓮の生け花は「伝花」※とされてます。
蓮だけの立花は「一色の立花」と言います。
一瓶の中に過去、現在、未来と蓮だけで表現していくのです。
人間と同じですね。
それを蓮で表現しています。
蓮の花、開葉,巻き葉、鐘木葉、蓮の実,朽ち葉と入れて生けます。
一年に、わずかしか生けるチャンスがありません。
前置きの黄色い花「河骨(こうほね)」は、池や沼に生息する抽水植物です。
夏の季語ですので、俳句などで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
伝花は、普段のお稽古ではなかなか拝見できないので、貴重ですね。
4.夏のお稽古作品 自由花
「自由花」です。
花材は、
ドラセナ、向日葵、ワレモコウ、デンドロン
黄色の花器に緑の葉「ドラセナ」をうまく組み合わせ、ヒマワリと相まって夏らしい作品です。
葉っぱの形に、つくり手の創意を感じられますね。
デンドロンは南アフリカ原産の常緑低木、花もちの良さからお花をいける方に好まれています。